平成15年度 狩猟日記 その2
- − 大分県内での狩猟報告 -


出猟日 12月21日 (日曜日)
時 間 09:00〜16:00
場 所 緒方町 (メス鹿可猟区域)
猟法 鹿の巻き狩り
天 候 晴れ
使用弾数 発砲なし (FEDERAL Classic Rifled Slug)
絞り 平筒
猟 果
雌鹿 2頭

 嬉しいことに今猟期初のグループ猟に参加させてもらえることになった。去年は獲物の姿を見ていないので今年はガンバロウと思う。

 06:30師匠のお宅に到着。装備を師匠の車に移し出発! 皆が待ち合わせているお弁当屋の駐車場を目指す。目的の駐車場には多くのハンターと思われる人々が集まっていた。皆弾帯やナイフ、無線機&猟友会支給のベストを着ているのですぐ判る。このお弁当屋さんは皆待ち合わせに使うようだ。昨年も御一緒させてもらった日出の方や師匠のグループの方と合流。食料を買い込み緒方町に出発!R442は前日に降った雪の為通らずにR10とR57等を通ってKさん宅に到着。ここが本部である。

 昨日から泊り込みで下見&作戦を練っていた先発隊の方と合流。焚き火に当たりながら作戦会議である。この日集まったのは約15名の百戦錬磨のハンターである。この一個小隊を各分隊に分け、持ち場に付くのである。私は北側尾根の最終防衛線に配属されることとなった。車に乗せてもらい持ち場の麓へと移動する。

待ち場へ師匠の車で移動中


 広場に駐車し装備を整え急な斜面を登る。この山は標高約700mである。銃を担ぎ、慣れない山を登るとなるとすぐに息が上がってくる。足元には無数の鹿の足跡があり、耳を済ますと笛を吹くような「ピィーー」という高い鳴き声が近くでする。どうやらウジャウジャ居る様である。尾根を上がり目眩がするよな高い地点まで上がってきた。私はすでに息も絶え絶え死にかけである・・・ 

 分隊長が指示した場所に座り込み息を整える。体からは白い湯気が立ち汗だくである。銃にスラグ弾を装填し獲物を待つ。犬はまだ獲物を捕捉していないようだ。無線ではさまざまな情報が飛び交っているがまだ誰も発砲はしていない。日陰でじっとして待つとなると、さすがに寒くなってきた。しかし下着は今話題の吸湿発熱素材のシャツなので汗が冷えて寒くなるといったことは無い。少々高いのが玉にキズであるが、これはもう手放せない一品である。気温が低すぎるのでシャツだけでは防寒は十分ではない。脱いでいた防寒服を羽織る。

 不意に近くから4発の発砲音!いきなりなのでかなりビビッた。無線では仕損じたと言っている。うーん、残念。先ほどから下で「ガサッ、ガサッ」と歩く音がする。勢子さん(追い立て役)と思い動きを見守る。またもや隣で発砲!するとさっきの音源が移動を始めた。今度は結構早く動き、一瞬木々の間から見えたその姿は黒く犬?のようだ。ところが音源が移動した先で2発の発砲音! なんで? さらに、まだ足元ではガサガサと動く音がする。だが一端切上げと言うことになり班長の指令で最初に発砲したところへ行く。結構な崖や落ちたら止まらないような場所を通り谷に到着。すでに獲物の運搬が始まっていた。

 後で聞いた話と総合すると全体の流れはこうである。まず私の右側で数頭を発見し4発発砲。これはハズレ。そして足元でしていた音源は獲物で右側2回目の数初発砲(2人がスラグと6粒弾で2頭射殺)で逃げ出したらしい。で、私が目撃(犬と間違える)さらに逃げて左隣の待ちで発砲するがハズレ。そしてまだ足元でしていた音源は獲物であるという。ちなみに、この時勢子さんと犬は反対の山に居たらしい・・・ また、犬には鈴が着いており、黒い姿を見たと言うのはオスジカであったそうだ。

 獲物に付けた紐を引っ張り考えられないような所を引っ張って降りていく。渓流釣りで山は多少歩くがこんな所を歩くとは考えられない!まさに崖やそういった所を行くのだ(泣)非常にハードである。途中で交代しながら何とか林道に到着。もう足元フラフラである。獲物を軽トラック輸送部隊に任せて一端本部に戻る。

六粒弾の内一発がこめかみ部に被弾している


 この後2ラウンド行なったが共に獲物に逃げられてしまった。よって今日の収獲はメス鹿2頭である。時間はもうすぐ16時である。日が陰ってくると物凄く冷えるとの事なので急いで解体に入る。1頭は毛皮を何かに使うとの事なので濡らさないように木に吊り下げて解体。もう1頭はコンクリの上で解体となった。

解体前に私と記念撮影


 私は皮剥ぎのお手伝いを行なう。加治屋さんに打ってもらったナイフなのであるが、研ぎを完璧にしていなかったので切れが甘い。皮剥ぎには困らないが、肉を切るとなると少し困る。腹を割り内臓の観察。心臓と肝臓を摘出する。刺身で食べるそうだ。握りこぶし程ある心臓を半分に割り水で洗う。血が固まっているので丁寧に洗い流す。

腹部に被弾しているので血が回っている
もう一匹はこの様に解体
整形して均等に配分する
解体後はこの通り・・・

 師匠がグループの中で一番料理が上手いそうだ。前に鶏飯やシシ鍋を食べさせてもらった事があるがスッゴク美味しかった。今日も師匠が料理を作ってくれた。メニューは鹿のヌタ・タタキ・心臓の刺身である。反省会を行ないながら料理を頂く。まずはヌタ、これは一番美味しい背ロースの部分を醤油・ニンニク・砂糖と混ぜた物だそうだ。とても柔らかく癖がなくとってもウマイ!感動爆裂である。次にタタキ、生姜醤油で頂くとサッパリとしており柔らかくいくらでも食べられる感じだ。こいつもウマイ!最後は心臓の刺身、これも生姜醤油で頂くと歯ごたえがあるが意外に柔らかく酒の肴に非常に良い感じである。癖があるかもと警戒したが全くそんなことはなく美味しい。どの料理もマジで(゚д゚)ウマー!

 また師匠の車に乗せてもらい帰路に就く。車の中では猟の話や料理のレシピなどを教わって幾分レベルアップしたような気がする。アグレッシブな運転で予想よりも早く帰着。途中まだ雪が残っているところもあった。ちょっと怖かった・・・

 本日はとっても勉強になる一日であった。本当にM師匠やグループの人に感謝感謝である。今後の課題として、まず足腰を鍛える必要があるようだ・・・



出猟日 12月30日 (火曜日)
時 間 08:30〜14:00
場 所 大分県西部
猟法 単独での流し猟
天 候 快晴
使用弾数 33g 5号弾4発 7半3発
絞り モデ
猟 果
コガモ(オス)2羽

 今年最後は例のカモポイントで締めることにした。本日は快晴で尚かつ無風状態である。このポイントを攻めるには非常に辛い。

 さっそく本日最初の獲物を発見! 双眼鏡で確認するとコガモの群、約8羽である。林の中から接近を試みる。風がないので音が消せない・・・ 慎重に距離を詰め、距離20mほどで5号弾を装填。アシの間から出てきた瞬間発砲! 次々に飛び出したので残り2発も続けて発砲! 機関部を解放し水面を見ると1羽のコガモが浮いていた。3羽は獲れたと思ったのだが・・・ ( ̄□ ̄;) 対岸に渡り流れてきたコガモを無事回収。まだ息があったので喉元を切ってトドメを刺す。さて、次の獲物を求め移動する事にする。

中央部アシの根本にコガモの群れ

 大きなカモの群を発見。見ると待望のマガモちゃん達だ!すぐに車を路肩に止め銃を掴み群れに近づく。死角から大きく回り込み5号弾を装填。と、不意に近くの数羽が飛び出した!慌てた私はそいつらに向け発砲!これを合図に本隊約30羽以上が飛び出した( ̄□ ̄;) 距離があるので撃っても当たりそうにない。指をくわえて見送ることになった(泣) 焦ってしまい今期初のマガモを獲り損ねた _| ̄|○  まだまだ修行が足りないなぁ〜

 またまたコガモを発見。今度は3羽の群れである。今回は飛ばして撃とうと思い7半を装填する。ゆっくりと近づくと手前の1羽が飛び出した。すぐに発砲! ハズレるが10mほど上空に来たとき二の矢を発砲!確かな手応えと共にコガモはバランスを崩し墜落してきた。最後の一発をもう二羽めがけて撃つがハズレ。1羽のみの撃墜であるが綺麗に落とせたので満足である。

 あちこち走り回ったが獲物が見あたらないので本日はこれにて終了。パッとしない猟果であったな・・・




出猟日 2004年2月3日 (月曜日)
時 間 12:00〜15:45
場 所 河川敷
猟法 流し&待ち猟
天 候 晴れ
使用弾数 7半一発 
絞り モデ
猟 果
キジバト 1羽
 なんとまぁ、一ヶ月間のブランクが空いてしまった。3ヶ月間しかない貴重な猟期の1/3もの間を無駄にしてしまったのだ・・・ 後2週間の猟期を目一杯楽しもうと思う。

 さて、いつもの河川敷をゆっくりと見回る。12月8日からここには来ていない。先ずは猟場の観察を優先する。前猟期にヒヨ・ムクを沢山獲った栴檀(センダン)の木には未だに実が付いたままである。

ヒヨドリ・ムクドリの好物、栴檀(センダン)の実

この時期には既に食べ尽くされ残っていなかったと思うが、今年は干からびてしまっているが沢山残っている。今期はヒヨが少ないという影響であろうか?それとも他に良い餌があったのだろうか?謎である。

 キジを逃したところやコガモが付いていた所など隈無く見て回ったがなーんにも居ない。そんなこんなでキジバトの木に到着。すっかりと葉が落ち丸裸になっている。ポカポカと暖かく、日向ぼっこを兼ねて少しこの場所で獲物が来るのを待ってみることにする。

キジバトが来る木にはすっかり丸坊主

 早速お客さんのお出ましである。キジバト1羽バッチリの場所に現れた。7半を装填し狙いを付ける。距離は約20m。途中に障害物はない。ゆっくりと引き金を絞り発砲! 羽を派手に飛び散らせドサリと落ちた。

木の根本にキジバト発見!

 根本に駆け寄ると既に息のないキジバトが落ちていた。回収し再び待ちにはいるが、獲物は現れずこれにて終了。やはり猟期も終盤となると獲物が居ないものだ・・・
  


出猟日 2月4日 (火曜日)
時 間 12:30〜16:00
場 所 河川敷
猟法 待ち猟
天 候 晴れ
使用弾数 33g 7半一発
AAフィールド&スーパードーム 約10発
使用銃・絞り レミントンM870(モデ) & エースハンター 5.5mm
猟 果
キジバト 1羽

 今日は最終兵器として今年から投入したエアライフル(シャープエースハンター)を持っての出撃である。いつものコースを車で流すがカモもキジも居ない。昨日キジバトをやっつけた場所までやってきた。今日も暖かいので日向で待ちを行うことにした。870の薬室に7半を一発装填し、エースハンターを8回ポンプしAAフィールドを装填。共にセフティーをONにして獲物がやってくる木を監視する。

 1時間もするとさすがに退屈になってきた。愛用のハンディー機VX-7のチャンネルを2mメインとFMラジオと合わせ耳を傾ける。石の上に座っていると尻が痛くなってきたので、近くに落ちていたタイヤをイスにする。しばらくするとヒヨドリが3羽やってきた。エースハンターを取り一番近いヤツに狙いを付ける。レチィクルの揺れが止まるとゆっくりと引き金を絞った・・・ が獲物の右の小枝がはじけ飛ぶのが見えた!は、はずれた _| ̄|○ 幸いまだ飛び立たないのでできるだけ動きを小さくポンピングする。少し左側を狙い発射!パッと毛が散ったがヨロヨロと飛んでゆく・・・ 半矢デス _| ̄|○ 可哀想なことをしてしまった。

 数回ヒヨが来たが全て外れ。スコープがずれているようだ。狙った所よりも右に着弾するのでスコープの調節ダイヤルを少し調節した。たぶんこれで当たるだろう。と、目の前にキジバトが飛んできた。こいつは逃がすわけにはいかない!散弾銃を取り狙いを付ける。7半が装填されているのでこのまま発砲!白い羽を大量に飛び散らせそのまま落下。即死である。

既に息のないキジバト

 日が傾いてきたので今日はこれで終了。結局スコープは合ったのだろうか?




出猟日 2月6日 (金曜日)
時 間 12:00〜16:45
場 所 河川敷
猟法 エアライフルでの待ち猟
天 候 晴れのち曇り
使用銃 シャープ エースハンター 5.5mm
使用ペレット AAフィールド&ジェット弾&スーパードーム 約20発
猟 果
ヒヨドリ 4羽
キジバト1羽・ヒヨドリ2羽 半矢
 本日は今までと少々違う猟をしてみようと思う。昨夜ジックリと練った作戦である(注:仕事中です!)今回の作戦とは、偽装網とポンチョの屋根で出来た掩体壕からのエアライフルによる狙撃である!大きな音もなく姿もなく獲物を狙撃する!この作戦には少々自信がある! 銃と資材を積み込みいつもの待ち場に直行する。

 ヨシをかき分け、進んでいると、目の前の池から4羽のマガモが飛びだした!散弾銃は背中の銃袋の中である!素早く取り出し装填し発砲するなんて芸当は到底無理! 泣きながら見送る・・・ ここにカモが付くのは知っていたが終猟間際のこの時機に付くとは・・・ 失敗である。

 さて、気を取り直し掩体壕の設営にかかる。迷彩ポンチョを天幕とし、偽装ネットを入り口に掛けて内部を隠す。5分もかからずに設営完了!

中央部に偽装掩体(えんたい)壕 解るかな?

非常にシンプルであるが離れて見ると以外と効果は高いようだ。 

第一種偽装掩体壕のアップ 迷彩ポンチョと偽装網を使用 

 内部の空間も広くエアライフルのポンピングは楽々できる。目の前にちょうど突き出ていた竹には散弾やエアライフル弾を収納するのに具合がよい。 

掩体壕内部 目の前の竹に各種装弾を収納

 獲物が飛来する木はバッチリ目の前である。少々射角がキツイが竹をクロスし、そこにレストする事で安定して射撃ができそうである。

偽装網を介して目標を眺める

 ヤルなら徹底的にと言うことで、私自身も迷彩で固めてみた。自衛隊が使用しているドーランを塗っても良いのだが落とすのがメンドーなのでメッシュのスカーフで間に合わせる。

完全迷彩!

 まぁ、こんなものでOKであろう。エースハンターをポンプ8回しスパードームを装填。獲物の登場を待つ。

 すぐにヒヨドリさん1羽がちょうど良い地点にとまる。スコープのクロスの中心でジックリと狙い発射!バスッという発射音に続き布団叩きで布団を叩くようなパンッと音を立てHIT!ヒヨは地上に落下する。つ、ついにエアライフル初の獲物GETである!あんなに着弾音がするとは驚きである。胴体を狙ったのであるが弾は頭に当たり貫通していた。こいつはスゴい!! すぐに8回ポンプし装填し待機する。スコープは左右はちゃんと合っているようなので上下のみ少し修正する。


 その後、半矢で2羽を逃がした所でまたまたヒヨドリ登場。しっかりと狙いゆっくりと引き金を絞る。発射音に続き着弾音がするが獲物はヨロヨロと飛んだ! 少し離れた木に留まっている。素早くポンプし後を追う。近づいても逃げる様子はない。10mほど近寄り発射!パーンとかなり大きな音を立て落ちた。回収すると初弾は右羽付け根部分に当たっている。それはよいのだが、胴体中央部に大きな穴が空き肉はゴッソリとえぐり取られ貫通している・・・ 至近距離で5.5mmを撃つとこんなにも肉が傷むとは驚きである。

被弾し激しく損傷した胸部 (ジェット弾10mポンプ8回)

 さて、マターリとパンとお茶で食事をしているとキジバトがすぐ頭の上の枝に留まる。エアライフルの銃口を隙間から出すと少し先の木に飛んだ。胴体を狙い引き金を引くとパッと毛を散らし飛んでいった・・・ 半矢である _| ̄|○ 素直に散弾で撃てば良かった・・・

 その後、またまた半矢を作ったりしながら合計4羽をゲットし終了。エアライフルがこれほどに面白いとは思わなかった。一発で獲物を仕留めるのは散弾にはない正に「One shot One kill」である。二の矢が撃ちづらいポンプ銃と言うのもポイントが高い!これはハマリそうである。しかし、本日の偽装掩体壕からの射撃であるが、何もない時と比較して獲物の飛来数が多く、飛び立つまでの時間が長いと感じた。初矢で外してもポンピングで動いても獲物からは見えないので二の矢がかけられる。後は正確な射撃が出来れば完璧!これからはこれで行こう!



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