平成21年度 狩猟日記 その2
−大分県は全域でメスジカ可猟・頭数無制限です-
出猟日 | 11月15日 (日曜日) |
時 間 | 8:00〜15:00 |
場 所 | 祖母・傾山系 |
猟 法 | グループ猟 |
天 候 | 晴れ |
使用銃 | Remington M870(EOTech ホロサイト) |
銃 身 | 20in・1/2ライフル |
使用装弾 | なし |
猟 果 | グループで 150kg級 大イノシシ 2頭 鹿 1頭 |
昨日も皆で猟を行い、勢子長宅に泊めさせてもらった。この日は大分方面隊全員が泊まる通称「お泊まり保育」が行われたw 寝ている間に額に「肉」の文字を油性ペンで書かれたり、渦巻き模様が描かれたりと学生の修学旅行のようである。(夜中に見たときは笑い転げて息ができず腹が痛くなった) 早朝4時。いつものように起き出して、お茶を飲みながらノンビリすごす。朝食を頂き、日の出の時間に合わせて装備を調える。罠見を兼ねて鹿の流し猟を行うのだ。時間になり3チームに分かれてそれぞれの林道に入る。私は運転手で、射手はGさんだ。鹿を発見したら、静かにエンジンを切り、射手がゆっくり下りて道を外れて撃つ寸法だ。林道を進み、罠を見回りながら警戒するが、鹿の姿はない。そのまま終点まで行き着いたので、Uターンして別チームに無線連絡。すると、一頭を撃ったが深い谷底に落ちたので回収に手を貸して欲しいとの事だ。 現場に来てみると、かなりの急斜面だ。獲物の場所は100m以上下で見えないそうだ・・・ 手持ちのロープすべてを継ぎ合わせ、滑車を取り付けて軽トラで引き上げる事にした。撃ったKGさんが責任を持ってロープを頼りに谷底に下りる。無線を使い、谷底と巻き上げ車に号令を送る。途中でロープの接続部があり、滑車を通らないためだ。何度も軽トラで引いては繋ぎ直しを繰り返して、最後は人力で引っぱり、ようやく林道まで持ってくる事ができた。 勢子長宅に戻ってくると、化け物のような大猪が運ばれてきた!
推定重量150kg!あまりの重さに動かすのも数人掛かりで、チェーンブロックで吊し上げた。これはグループの罠師のOTさんとKRさんが、くくり罠捕獲したものだ。凄い! さて、お土産の心配は無くなったのでw のびのびと猟をする事ができる。見切りの結果、鶏小屋の裏手に幾つか入っているようなので攻めて見ることになったが、獲物の姿は見ずに昼食タイムとなった。お弁当は勢子長の奥さんが作ってくれたのでとっても美味しい!ペロリとたいらげて、午後はこのまま下の方を混ぜてみようという事になり移動開始。 犬を入れて少しすると盛大に鳴きだした!どうも雌竹(メンチク)の中で立てているらしい。勢子さんや近くの待ちが突入する。少しして一発の銃声が聞こえた。無事に止めたらしいが、獲物が大変な大物だそうだ。ついでに犬数頭が切られているらしい。すぐに車に飛び乗って現場に急行する! 現場は人が入るのは困難なほど、雌竹が密生している。上の方から声がするので、ナイフで竹を切り、道を造って最優先で犬を回収。3頭が首や足などを切られている。一番酷い犬は胸を突かれており、空気が漏れている。肺や横隔膜が心配だ。勢子長は犬を積んで病院へ急行。皆が力を合わせて獲物を搬出するが、一頭の犬が帰ってきてないという。去年産まれたゴロウちゃんだ!最悪の事態が脳裏に浮かぶ・・・ 搬出は皆に任せ、数名でゴロウちゃん捜索に付近を回る。マーカーを頼りに捜索すると、移動しているようだ。八木アンテナで方向を取りながら進み、一番強い場所で親方と共に呼ぶ。電波強度では数十メーター以内だが、姿が見えない。迎えに山に入ると、高い場所から降りれないようだ。抱え下ろして体をチェックするが、傷は無し!良かったー 勢子長宅へ到着すると、とんでもない光景があった。朝見た大物の兄弟分だ( ゚д゚)ポカーン 150kg級を見るのも初めてなのに、まさかそれが同じ日に2頭も獲れるなんて・・・ こんな事は当然初めての経験である(≧▽≦) この化け物2頭と存在を忘れていたが、苦労して引き上げた鹿を解体して本日は終了。一人当たり物凄い肉の分配量となった。∩( ・ω・)∩ばんじゃーい 勢子長はまだ病院だが解散となった。とても貴重な経験をした一日であった。 # 後の連絡で、手術は成功し犬はすべて助かった。 |
出猟日 | 11月21日 (土曜日) |
時 間 | 09:30〜15:00 |
場 所 | 祖母・傾山系 |
猟 法 | グループ猟 |
天 候 | 晴れ |
使用銃 | Remington M870(EOTech ホロサイト) |
銃 身 | 20in・1/2ライフル |
使用装弾 | リロードLyman 525gr 自作Sabot Slug 4発 |
猟 果 | オスジカ 1頭 グループで他に イノシシ1頭、シカ 3頭 |
勢子長の家に向かおうかと思っていると、足見をしているSKさんから無線が入った。「田んぼに30〜60kgのイノシシ4頭が出ていて、逃げるのが見えた」と言っている。すぐ近くだったので進路変更し目撃地点へと向かう。 SKさんと合流し、目撃現場を検証。何でこんな所にこんな時間出てたんだ??とても不思議だ。付近をグルリと見回って勢子長に無線報告。近くの広場を集合地点に設定し、それぞれ足見していたメンバーが集まって作戦会議。いくつか入っている場所があるようだが、獲物を見ており間違いないので、目撃地周辺を広く見回り抜けていないかチェック&地形を観察。抜けていないようなので、さっそく各自待ちに付く。私は国道のような太い獣道があり、幅30mほどに狭まっている一級ポイントをもらった(`・ω・´)b 私の足元を勢子さんが通って奥から犬を入れるようだ。犬を入れたとの無線連絡があってすぐ、犬が鳴き出した!同時ぐらいに2発の銃声があり、私の方向に鹿が走ったと言っている。10秒もせずに横の待ちから3発の連射が響いた!外したがコース変わらず私の方に向かっているそうだ!銃声のした方向からバサバサと移動音が聞こえてきた。薬室を閉鎖し挙銃して待機(`・ω・´) 小さい黒い塊が近寄ってくるのが見えた。よく見るとオスジカが足を折り畳んで匍匐前進で木の生い茂った中を進んでくる!しかも角が邪魔にならないようにアゴを上げて角を後に倒して来るではないか(笑) 話しに聞いていたが、枝が多い茂った所では本当にこんな姿で移動するんだ。小さい塊になっているので中心に狙いを付けて発砲!そのままの体勢で動きが止まった。
次弾を装填して挙銃したまま近づくと、僅かに息があるが、逃げる心配はない。無線で止めた旨を連絡し、ナイフで心臓を刺して放血する。
正面から中心を狙ったので、顔の真ん中に着弾している。ちょっと可哀想な状態になってしまった。一発しか撃っていないのに右足が折れている?横に寝かせて弾道が解った。高い位置から打ち下ろした様になるので、顔→首→足に抜けたようだ。
少しして犬が来たので、何口か噛ませて負い戻す。その後また勢子さんが混ぜたが、鹿がもう一頭獲れただけで目撃した猪は出なかった。一度待ちを解除し、昼食を食べながら作戦会議。午前中は目撃地点の左側をやったが、右側に居るのではないか?との事で、午後は右を攻めてみることになった。私は左右を繋ぐ大きな獣道にいるので、同じ場所で待機する。 犬を入れてしばらくしても何も出ず、暇で寒いので焚き火でもしようかと準備していると、M師匠が鹿を撃ったと連絡があった。この場所では銃声も聞こえない・・・ 小さな焚き火を付けて暖を取っていると、小声で私の方に鹿が抜けていくのが見えたと無線が入った。付けたばかりの焚き火を踏み消し、挙銃して警戒するが、現れない(´・ω・`) ふと、チラリと左の崖の方をみると距離15mに居るではないか!こっちを見ているので動けば絶対に逃げるが、銃は90度右側を向いている・・・ 息を殺して視線を外すのを待つが鹿もジッと見ている。腕が痺れてきたので、一か八か一気に振り向いて三連射!鹿は物凄い勢いで走り、藪の中に消えたので当たったか解らない。逃走方向を確認するが、倒れていない。血を引いていないか探したが、血痕もない。完全に外したようだ_| ̄|○ 無線で逃げられたと連絡。 この後、目撃したイノシシ一頭や鹿を追加し終了となった。今日は鹿の匍匐前進を見たり、鹿に見つめられて動けなかったりと楽しい一日であった。ただ、振り返っての三連射を外したのが悔しくてならない!! |
出猟日 | 12月20日 (日曜日) |
時 間 | 9:00〜14:00 |
場 所 | 祖母・傾山系 |
猟 法 | グループ猟 |
天 候 | 曇り時々雪 |
使用銃 | Remington M870(EOTech ホロサイト) |
銃 身 | 20in・1/2ライフル |
使用装弾 | リロードLyman 525gr 自作サボットスラグ 6発 |
猟 果 | オスジカ 1頭 グループで他に イノシシ2頭、シカ 2頭 |
寒い!この冬一番の寒気が流れ込んでいるとのことで、前日から山間部は雪で交通規制が出ている所もある。しっかりと着込んで出発した。久住の山々も傾山も雪で真っ白になっていた。勢子長の家に集合し、焚き火で暖まる。
いつも麓の方をやっているので、たまには上の方の通称「トンネル」をやってみようと言うことになった。ここをやるときの私のポイントは決まっている。尾根が集まっている場所だ。車をデポしたら装備を持って山登り開始だ。M師匠も同じ並びだが、数名を引き連れて別ルートで登るそうだ。 いつもの待ちに到着すると、無線で到着を打電。足元を見ると、昨年集めておいた薪がそのままあるw 腐っていないのでまだ使えるが、量が少ないので風倒木を大型ナイフで叩き切って焚き物の確保。この時も鹿が抜けてくる可能性があるので、すぐに発砲でき体勢で作業する。腕ほどの太さの薪を確保したいが、ナイフだと厳しい・・・ 今度ここに登るときはノコギリを持ってこようと決めた(`・ω・´) シャキーン 今日はただでさえ寒いのに、尾根上なので風が当たり凄く寒い。雪もチラチラ降っている(ノД`) 急いで地面を掘り下げ、かまどを作り焚き火を起こす。すぐに火が付き、暖まって一段落。まだ勢子さんは犬を入れていないようだ。少し先の待ちから鹿が2頭発見。移動していると無線が入ったが、進行方向が私の待ちとは逆。待ちの中なので犬が追うだろう。しばらくして勢子さんから犬を入れるとの連絡があった。 犬は鳴かないが、抜けてくる鹿が居るようで散発的に銃声が響く。ぶっとい発砲音が聞こえた。M師匠が鹿を止めたらしい。しばらく静かであったが、下の方で犬が鳴き出したそうだ。あっちこっち走っているらしいが、私の場所からは聞こえない・・・ おとなしく焚き火の番をしながら周囲を警戒する。 反対の方から移動音がかすかに聞こえた!銃を構えながら覗き込むと、中腹くらいを鹿の群れが走って移動している。いつものパターンのようだ・・・ 木々が茂っていてチラチラしか見えないが、木が途切れた所でオスに向け発砲!ガクンと転げた!続けて後方のメスに向けて二連射!手前の木の枝が弾け飛ぶのが見えた_| ̄|○ 無線で鹿に向け発砲、一頭を転がした旨を連絡。急斜面で足元が脆いので注意しながら下りるが、足場が崩れてこけて、杉の木に銃を強打&ズボンが泥で真っ黒に汚れてしまった( T ▽ T ) 上からは木でブラインドされ倒れているのが見えなかったが、予想地点に来たが鹿が居ない・・・? 付近を捜索するが見つからない?? 血痕も見つけられない?? どうなってるんだ?タヌキにバカされた気分だ。半矢で逃げたのか?それとも銃声に驚いて尻餅をついたのか(笑) 無線でM師匠に鹿が消えたと連絡。恥ずかしい(´・ω・`)ショボーン 納得がいかず捜索していたら犬が2頭(シロとゴロウ)来た。先にやると囲いの外になるので追い返す。首をかしげながら捜索していると、鹿の逃走方向より何を思ったのか、オスが一頭こちらへ向かってきた。すぐに挙銃して発砲!左上後方に盛大な土煙が上がった。もう一度鹿の真ん中を狙って撃つが、同じように盛大な土煙が立った。映画みたいだなーっと一瞬考え、照準がずれているようなので修正して発砲。鹿は弾けるように飛び上がって崖下に転げ落ちていった・・・ だが、半矢のようでゴソゴソ動く音がするが見えない。すると、先ほどの犬2頭が戻ってきて鹿を追いかけていった。谷底から吠える声と鹿の鳴きが聞こえる。急いで駆けつけねば! 急斜面&崖崩れの風倒木が折り重なっいて中々近づけない。ようやく姿が見えたが、犬が噛んで谷底にどんどん追いやる。やーめーてーくれーっ! 犬が絡んでるので撃って止めることもできず、しかも息が切れて辛い。もうしょうがないので休憩がてらビデオ撮影←ヤケ ようやく追いつくと、犬を追い払って心臓を刺して止めを入れる。刺したら鹿が一声鳴いた。苦しめてゴメン _| ̄|○ さて、上を見ると急斜面が目の前に立ちはだかる。戻るのでさえ大変なのに鹿を持って上がれるはず無い!とりあえずこのままにして赤テープで目印を上げて鉄砲を担いで四つ足歩行でよじ登る。
サクサクッと解体して、残滓は窪地に埋める。犬が噛みまくっていたので、かなりの部分が痛んでいた。無事な肉を分担して担いで斜面を上がる。やっとの思いで車に戻り、勢子長宅へと向かう。 遅い昼食を取り、解体して肉を分配し本日は終了。勢子長に私の待ちにはもう一人必要な旨を伝え、次回から裏側にも待ちを配置してもらうようにお願いした。毎回毎回、辛い思いをしているので絶対に裏には一人必要だ!あと、向かってくる鹿に当たらなかったのは、滑り転けて銃をぶつけた際にカンチレバーがたわみ、照準がずれてしまったようだ・・・ 帰ったらレーザーボアサイターで補正せねば・・・
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