平成22年度 狩猟日記 その1
−大分県は全域でメスジカ可猟・頭数無制限です-



出猟日 11月7日 (日曜日)
時 間 9:15〜15:00
場 所 祖母・傾山系
猟 法 グループ猟
天 候 晴れ
使用銃 Remington M870(EOTech ホロサイト)
銃 身 20in・1/2ライフル
使用装弾 リロードLyman 525gr 自作サボットスラグ 2発
猟 果
メスジカ 1頭
グループで鹿4頭


待ちに待った猟期の開幕である!都合が悪く解禁日は出撃できなかったので、本日が私の初猟となる。

本日の猟場は比較的ふもとにイノシシが入っているそうなので、ここを攻めることになった。無線で連絡を取り合いながら広場に集合、ここで各自の待ちを決める。私はいつもの場所をKGさんと守ることになった。

犬を入れてすぐに鳴き出し、勢子さんが60kgくらいのイノシシを見たという。私たちの方に向かっているという無線連絡と同時に下のKGさんの待ちで3発の連続発砲音が響いた!残念ながら獲物は待ちを切って外に逃げてしまったそうだ。後で聞いた話によると、待ちのいない一番下を行くのが見えたが遠距離と木が邪魔で当たらなかったようだ。

近くの祭り場で昼食を取り、軽く移動する。


今度は、ひょろ長い島状の場所を攻める事になった。私はヒョウタンのように狭まっている一級ポイントで待つことになった。傾斜のきつい場所であるが、見通しが良く撃ちやすい。中腹まで登って上下が見渡せる位置に陣取った。犬を入れると同時に鳴き出し、銃声が響く。シカのようだが、銃弾の雨を上手くかいくぐり逃げているようだ。各待ちから銃声が次々に響くが逃走している。私のすぐ横の待ちでも発砲し、こちらに逃げているという。挙銃して待っていると一番上を凄い早さでシカが飛び出した!どうにか一発撃ちかけると、さらに加速し凄まじい早さでスッ飛んでいった(;´Д`)  次の待ちのNさんに「速達でシカを配達しました(`・ω・´)」と無線連絡。すぐに「・・・あんな早いの撃てるか(ノ`Д´)ノ彡┻━┻゛:∴ 」と返答があったww

結局ランボーのようなシカは上手く逃げ切った様で行方が解らなくなった・・・

さらに獲物はいるようで犬は鳴いている。先ほどシカが走ったウジ(獣道)が撃ちやすい位置に移動すると、移動音源が近づいてくる。注意しているとチラリと影が見えた。一瞬立ち止まり比較的早足でシカが出てきた!ホロサイトのドットを乗せて追いかけ、止まった瞬間に発砲!その場に倒れ込んだ(`・ω・´)b 後続は無いようなので獲物に近づき放血を行う。



倒した獲物に近寄る

斜面なので息が上がってしまった。

心臓を刺して放血し、獲物を観察すると狙った位置にドンピシャで着弾しており、脊椎を破壊しているようで完全に動けないようだ。


狙ったところに着弾。脊椎を砕いています

裏返してみると弾は抜けていないが、盛り上がっており触ると堅い。皮下で止まっているようだ。切開してみると本当に皮一枚で止まっていた。

弾頭を取り出す

理想的な潰れ方をしており、運動エネルギーをすべて使い果たし獲物へ最大限のダメージを与えたようだ。弾頭を純鉛で鋳造したのが良かったようだ。猟期前の練習射撃でも100m射場で今までにない纏まりを見せたので純鉛作戦は大成功だったようだ。

発砲地点からシカを見る

その後は獲物は現れず、終了となった。本日の捕獲数は私のシカを入れて4頭の捕獲であった。

全部でシカが4頭獲れました

初猟から獲物を止めることができて今期は幸先良さそうだ。しっかし、爆速で逃げたシカには驚いた。ニトロでも積んでいるみたいであった・・・




出猟日 11月13日(土曜日)
時 間 09:00〜14:30
場 所 祖母・傾山系
猟 法 グループ猟
天 候 晴れ
使用銃 Remington M870(EOTech ホロサイト)
銃 身 20in・1/2ライフル
使用装弾 リロードLyman 525gr 自作Sabot Slug 5発
猟 果
オスジカ 1頭
イノシシ 1頭


無線を聞きながら猟場へ向かっていると、前回やった場所の隣にシシが入っているという。そちら方面に移動し、途中でKHさんと合流。二人で適当な広場で車を止め地下足袋を履いたり準備していると、皆が続々と集合してきた。
全員が集まったところで作戦会議。ひょろ長い場所に入っているようで上を重点で締めることになった。私は一歩離れるが、前回シカを止めた場所に付くことになった。下ってきた獲物は必ずここを通であろうとの事である。

皆が装備を纏めると、それぞれの待ちに移動する。私も前回と同じ場所に到着。ただし今回は反対方向から来るわけだ。見渡せる場所に付いて弾を装填。準備OKを無線で知らせる。
ここからは聞こえないが、犬を入れるとすぐに鳴き出した様だ。遠くで一発銃声が聞こえ、シカを止めたそうだ。さらに犬は鳴いており、獲物を追っているという。勢子長が大きなイノシシを見たそうだ。緊張が高まる。

隣の待ちから私の方へシカが向かっていると連絡があった。挙銃して待機していると、大きな足音と共にシカが走ってきた!一発撃つと上の方へと向かう。安土(バックストップ)がないので、あまり上に上がられると撃てない!速射で二発かけると倒れ込んだが這うようにして動いている。一発再装填し首をジックリと狙って発砲!ようやく動きが止まった(`・ω・´)b 

円内にシカが倒れている

無事止めた旨を連絡し、獲物の元へ向かう。

尻尾にも当たってました・・・

着弾を観察すると最初に撃った分は後ろに当たっていた。一発はモモを破壊しており、これが足を止めたようだ。

無線がいきなり賑やかになった。イノシシが出たそうだが、待ちを切って囲いの外に出たという!勢子長が各待ちを先回りするように指示を出していく。私はとりあえず獲物を道の側まで引きずり出して車に乗る。上の林道へと行くのがよいようだ。なんでも犬が立てている(シシとの睨み合い状態)ようだと連絡。3kmほど移動すると前方からM師匠がパッシングして走ってくる。脇に止めると師匠は車を飛び降り山に入っていった。耳を澄ますと犬の鳴きが聞こえる。この奥で立てているようだ。師匠は谷に入ったので、私は道を少し戻り、上の方から入ることにした。

背丈以上のススキやメンチクで視界が効かない、もしシシが突っ込んできたら避けられない・・・ 即発砲できるように腰ダメのまま鳴き声の方に進む。鳴きはすぐ近くで聞こえるのだが、ツタが絡んで動けない。早く行かねば犬が切られたりする。気ばかり焦るが、ナイフで切って脱出。少し下りると竹林の中で犬2頭とシシが絡み合っている。シシの方は尻を付いている。犬が離れた瞬間に発砲!シシは目を白黒させて痙攣している。すぐ後ろからM師匠が現れた。タッチの差で、私が止める幸運をもらう事ができた。

獲物が大きいので二入での搬送は辛い。無線で応援を呼び、とりあえず二人で引っぱる。途中から応援が合流し皆で力を合わせて道まで出した。皆で観察すると、前足が折れているが弾が入った跡がない?よくよく見ると、お尻の穴から入ったようだw 何でもNさんが逃げるシシを真後ろから一発撃ったそうで、これが体を貫き前足を折ったようだ。こんな事は初めてだ。

さて、先ほど止めたシカがそのままだ。戻ってみるとクロネコがシカの上に乗っている。「俺の獲物だニャ」とでも言うような感じだが、シカのダニが猫に移っただろう。アフォなニャンコだ(・∀・)ニヤニヤ

クロヌコが乗ってました・・・

本日はシシ・シカと撃つことができ満足な一日であった。犬が立てているのを見るのも初めてで貴重な経験ができた。



出猟日 11月14日 (日曜日)
時 間 8:30〜15:00
場 所 祖母・傾山系
猟 法 グループ猟
天 候 晴れ
使用銃 Remington M870(EOTech ホロサイト)
銃 身 20in・1/2ライフル
使用装弾 リロードLyman 525gr 自作サボットスラグ 1発
猟 果
子シシ 1頭 (損傷が酷いので画像処理済み)
グループで他にシカ一頭


本日も最近よく攻めている場所へとやって来た。前回犬が切られることがあったが、その敵を討つようだ。少々配置を換えて、私と他二名は昨年待った事があるヒノキ林の中に縦に張る事になった。
腰ほどの高さのメンチクが多く、視界が利かない・・・ しかも何本もウジ(獣道)が走っており、なかなか難しい場所だ。各待ちと連絡と目視によりお互いの位置を確認する。同士討ちだけはゴメンなのでそこはしっかりと確認!

上の方から犬を入れると鳴き出した。私の場所からも声が聞こえ、次第に近づいてくる・・・ 鳴きに近い待ちで3発の連続発砲音!小さなシシが見えたとのことだ。鳴きは我々の方に近づいてきて一番下のKGさんが獲物をチラリと見たと言うが、犬は上に上がり反対側へと行ってしまった。(後で聞いた話によると、獲物が分かれて私とKGさんの間を一頭抜けたようだ)反対側でも銃声が聞こえたが、逃げられたとのことだ。

囲いからは抜けていないらしいが、少し戻ったところで犬が鳴くのを辞めた。緊張を解いて一息つくと別の犬が先ほどのコースで鳴き出し、下のKGさんが無線で叫んだ。小シシが自分の上を走ったという。矢先に私がいるので撃たなかったそうだ。注意しているとカサカサと移動音源が聞こえ草が揺れている(; ・`д・´)ゴクリ・・・ 子犬ほどのシシが20m下のウジを走るのが見えた!ドットで追いかけるが小さくて草に隠れる。一瞬見えたところで発砲!ごろりと転がって木に当たって止まった!送排莢してそのまま挙銃して待機。後続はないようなので倒れた獲物に近づくと、胸部をゴッソリと吹き飛ばし前足も皮一枚でプラプラだ。

文字通り吹き飛びました・・・

心臓が露出しており、まだ鼓動している。凄くむごい状態だ。すぐに心臓を刺して楽にしてあげた(;´д`) 
そいうこうしていると犬がやってきた。獲物があまりにも小さいので、このまま犬に噛ませても良いか尋ねると、喰わせてOKとの返答。

獲物に犬が追いつきました

他に出ないのでこの場所は終了となった。獲物が小さいので片手で引っぱりながら車まで出てできた。

少し早いが、昼食を取り別の場所へ移動。

午後は標高の高いところをやってシカが数頭出て一頭捕獲したようで終了となった。私は日向ぼっこしただけで出番は無し。勢子長宅で解体して解散となった。
私が捕獲したチビは犬の餌となったようだ。まぁ、視界が悪い中で小さい獲物の狙った場所にちゃんと当てられたので合格だろう。今回のチビもカウントに入れれば、開始二週間でイノシシ2頭・シカ2頭の計4頭という、なかなか成績がよい感じだ。今期はこの調子で捕獲数を伸ばしたい!




出猟日 12月12日 (日曜日)
時 間 8:30〜14:00
場 所 祖母・傾山系
猟 法 グループ猟
天 候 晴れ
使用銃 Remington M870(EOTech ホロサイト)
銃 身 20in・1/2ライフル
使用装弾 リロードLyman 525gr 自作サボットスラグ 7発
猟 果
シカ 3頭
グループで合計 イノシシ7頭 シカ4頭


朝、前日から勢子長宅に泊まり込んでいた我々は、火を囲みながら装備を調える。皆の到着を待ち勢子長指揮で作戦会議。私は一番高く遠い場所に配置されることになった。行くのは辛いが、獲物が全部集まる超一級のポイントだ。いつもなら尾根が三つに分かれた地点で待つが、今回はそこは捨て、一歩引いた地点で囲うことになった。ポイントまで遠い我々は他の人より一足先に出発。私を含め3名が同じ方向へと向かう。車止めから入ったところに、一名配置。KHさんと私は斜面を登り尾根を目指す。

登りきったところに大きなウジ(獣道)があるのでKHさんが守る。私はさらに奥に入り、指示された付近到着。辺りを観察し、一番来そうな太いウジが見え、尚かつ私の姿をブラインドできる場所に陣取った。

遠くで銃声が聞こえた。シカの群れを見たそうだ。我々が待っている方向へと向かっているそうだ。薬室を閉鎖して迎撃準備完了。しばらくして枯草を踏む移動音源が複数聞こえてきた。予想コースを進んでくるようだ。バサバサと歩いて此方へ向かってくる。挙銃して待機していると、シカが見えた!メスジカ3頭の群だ。木が邪魔で発砲できない。息を殺して射撃可能位置まで移動するのを待つ。「しばらく動いて一度止まって辺りを伺う」という動きでジワジワと近寄ってきた。だが、木が切れた出現予想ポイントから外れ、30mほど下の方に出るようだ。この状況では動くと私が隠れているのがバレてしまう。チャンスをうかがい、先頭が姿を晒したところで発砲!ゴロゴロと転げ落ちていった。後続にも2連射撃ちかけるが、一頭がガクリと崩れるも、元来た方へと行ってしまった。姿は見えないが、バサバサと音がする。半矢になっているようだ。犬が来たら追いつくだろう。他にも来るかもしれないからこの場所は動かない。

転げ落ちたメスジカ

メスジカ

麓の無線が届かないが、まだ犬は入れてないらしい。後続の群れも来ないようなので、先ほどの半矢シカを探して移動する。大量に出血しているようで、歩いた後が赤いラインになっている。所々血だまりになっており、かなりの出血量だ。これなら近くで死んでいるのは間違いない!

大量の血痕が続く

だが、KHさんの下辺りの岩が大きく張り出した足場の悪い所でパッタリと血痕が途絶えた?? 上下方向も見るが解らない。空でも飛んで逃げたか?待ちから大きく離れているので後で探すことにして戻ることにした。
谷なので無線は聞こえなかったが、どうやら犬を入れてかなり追い回しているようだ。ただ、私のいる高い位置まではまだかなりの距離があるのでジッと待機する。

背負っていた冷たくなったお弁当を食べ、寒さに震えていると、また移動音が聞こえる。先ほどよりも少し高めだが、やはり見当を付けたウジへと下りてきた。姿が見えると、二段角のあるオス2頭とメス3頭の合計5頭の群だ。ドンドン近づいてくる。寒さと武者震いで構えている銃が揺れる((;゚Д゚) 距離20m顔がよく見える位置まで近づいたが、私には全く気がついていない。

一番大きなオスに狙いを付けて発砲!だが撃った瞬間に分かった 
ヤバイ外したーーーー!!!群れが一斉に反転して駆けだした!こんな至近距離で外すとはーーーー すぐ後ろのオスに発砲すると飛び上がって倒れた!最後の一発を先ほどのでかいヤツに発砲!またも外したようだ。全弾撃ったので再装填しようとするが、腰の弾帯に防寒着が被さっており、弾がすぐ取れない。メチャクチャ焦るが、メスジカ一頭がまだ見える。ようやく一発薬室に放り込み発砲!手前の枝が盛大に飛び散るのが見えた_| ̄|○

もう精神的にボロボロ・・・ なぜ、なぜあの状況で外したー ウワァァァァァァヽ(`Д´)ノァァァァァァン! やはり撃つ瞬間に「もらった!」ってアホな事考えたのが悪かったのか?

オスジカ

(´・ω・`)ショボーン としながら二発目で倒したオスジカの元に向かい心臓を刺して放血。一応付近も見回したが、血痕等は無し。完璧に外したようだ(´;ω;`)ウッ…

距離が長いので、犬も勢子も疲れたらしい。道に出たそうなので本日は終了となった。勢子長が各待ちでの捕獲状況を確認する。
私が確認できているのはシカ2頭と、おそらく付近にもう一頭倒れている旨を無線連絡し応援が必要と要請する。足場がガラ石で悪く、獲物を上に引き上げるのはかなり難しい。GPSで確認すると700m下がれば林道があるようだ。KRさんが到着し、状況を地図で説明。確認する為に下って道を確認してくると言う。私は応援部隊を待つ為にこの場に止まる事にした。

300mくらい下っただろうか?KRさんが倒れているシカを発見したそうだ。血痕を残していたシカが途中から下に落ちたようだ。それで跡が途切れていたのね・・・

ようやく発見したオスジカ

さらに2名到着し、各自一頭ずつ引っぱって下りることになった。KRさんよりルート確保の連絡があり、地図の通り林道があるらしい。傾斜がきついので走って獲物と落ちるように400mほど一気に駆け下りる。ここでいったん小休止し、協力し合いながら枯れ沢を引っぱって無事に林道着。さらに引っぱって舗装路まで出た。途中で無線連絡をしながら軽トラ回収部隊を誘導して無事合流。汗だくのボロボロだ。

合計11頭になりました

勢子長宅にはシシがゴロゴロしており、解体が大変だ。数頭だけバラし、残りはアチコチに電話して欲しい人にプレゼントした。猟期前から頼まれていた同じ駆除班のSさんにもシカとシシをプレゼントする事ができた。

本日の反省:
 1,撃つ瞬間に「もらった」等考えない!無心で引き金を絞る事! これは今までにも経験しており、余計な事を考えると悪いようだ。(フリンチングとか起きるのかも?)
 2,防寒着で弾帯を覆わない。重くなるという理由でモスボールしていたSideSaddle Shotshell Carrierを復活させる。