狩猟装備 車・道具編
− 車や積みっぱなしの道具達 -



猟用車 三菱ジープ J55 最終記念車
何の説明も入らないだろう、誰もが思い浮かべる少し前の自衛隊のジープ(73式小型トラック)民間向けである。

2700ccのディーゼル発動機で、とてもパワフルで悪路も難なく走る。幌を取り、スクリーンを倒せば視界はとても広く、獲物の発見がしやすい。だが猟期は真冬なので、スクリーンを倒すと凍死するほど寒い。ついでに、とても五月蝿いエンジン音で獲物を追い散らし、無線は聞き取りにくい。小回りが利かないので林道終点で泣きを見ること多数・・・ 

デメリットの方が多いので軽トラ購入により完全予備役となった。

猟用車 ダイハツ・ハイゼット・ジャンボ

ジープの使えなさに絶望し、M師匠などグループ数名が乗っていたダイハツのジャンボに目を付ける。ディーラーに行っても試乗車はなく、師匠達の車を運転させてもらい、色々質問して新車購入を決意。

通常の軽トラと違い、キャビンが大きくシートも可動式で居住性は抜群!山道は軽トラを基準に作られているので、スイスイ進むことができる。最小回転半径3.7mでUターンもお手の物。タイヤは13インチ、4DWでデフロック付きなので少々の悪路でも進むことができる。

ジープと違い鉄板で覆われ静か!パワステでハンドルは軽いしエアコンもある!獲物も荷台に何頭だって乗せることができ、室内にダニなどが入り込まない!とにかく良いことずくめでとても気に入った。

特に延長されたキャビンは、猟師のために考えたのではないかと思うほど素晴らしい。鉄砲や荷物を室内に載せることができるので、安心で取り出しやすい。

農家は荷台が短いので使いづらいそうだが、猟だけする我々には大変素晴らしい車である。

荷台を覆うシートは、通常の軽トラ用は長くて使えない。シート屋で自衛隊使用のOD帆布を使って特注で作ってもらった。

無線機
ICOM IC-2720:UU/VVの二波同時受信可能なアマチュア無線機。全員が無線資格保持者で局免を所持しているので、通話は無線で行われる。
このリグは、4級の最大出力である20W送信が可能で、とてもシンプルな操作法である。セパレートケーブルで本体はキャビンの上の物入れに止め、コントロールパネルを操作しやすい場所に付けている。

感度も良く、左右独立した操作方法でとても気に入っている。音の出力箇所が変えられるので、左バンドを本体から、右バンドを運転席正面に付けたスピーカーからと設定している。マーカーと通話音声を分けて聞けるので明瞭で分かりやすい。

誰にでも自信を持ってオススメできるリグである。

カーナビ
サンヨーのポータブルナビ、ゴリラNV-SB360DTである。

カーナビなんぞ要るか!との声が多数あったが、導入してみると大変役に立つ。さすがに林道はあまり載っていないが、結構細い山道まで掲載されてる。同行者の記憶を頼りにナビを使わず、裏道通って行ったら山の中で迷子になった。だがこれにナビさせると、幅は軽トラ一台分の山の中の細い道にかかわらず、ちゃんと表示され目的地にすぐに着いた。これには驚いた。

画面も見やすく検索も早い。道を間違えて進んでも、一瞬でリカバリして迂回ルートを表示してくれるのが凄い。暇なときはワンセグが見れるし、取り外してバッテリーでも動くので、他の車に乗るときに持ち出すのも簡単だ。

VICSが無いのが唯一不満だが、なかなか使えるアイテムだ。

拡声器
昔の廃車になったパトカーから剥がしたサイレンアンプだったと思う。クラリオン製で拡声とサイレンを鳴らすことができる。荷台に50Wのトランペットスピーカーを付けているので、山一つ超えた向こうでも聞こえるほどの超大音量である。

こんな物何に使うかというと、犬を呼ぶのに使うのだ。山の中に入ってしまい、迷った犬や呼び戻したいときなど、拡声器で呼べば殆どの犬は戻ってくる。呼び戻しの訓練をしていないなどアホな犬は何しても戻らない。サイレンは必要ないので、不用意に鳴らないようにスイッチを固定している。




八木アンテナ&受信器



犬の首輪に付けている発信器(マーカー)取りに使用する。

アンテナは軽量で折りたためる八木アンテナ。指向性があるで、微弱な犬のマーカーを捕捉する。電波の発信源方向に先端を向けると信号が入感するが、逸れると一気にレベルが落ち受信しない。受信機のSメータのフレ具合で目標までの距離が分かる。アッテネーター(減衰器)を取り付けているので、至近距離でも方向を探ることができる。

受信器は超小型軽量なスタンダードC501。単三電池2本で長時間つかえる。送信出力280mWと非力だが、交信目的ではないので問題ない。

このアンテナは大して期待せず購入してみたが、とても使える品で今や駆除班の半数以上が所持するアイテムとなった。このアンテナを製造していた会社が潰れ、安価に流通しているのも普及に役立っている。(紛失・破損したときに困るので、幾つか予備を購入している)

駆除班にいる逃走癖のあるアホビーグル捕捉に力を発揮している。

ロープ
9mmのロープを2m、10m、25mと積んでいる。

獲物の引っぱり出しや、解体の際の吊し上げ。スタックした車の引き上げなど用途は多い。

この他に30mのパラシュートコードを2セット積んである。


Locking Hoist and Gambrel System
滑車とゴツイハンガーのオバケがセットになった物。主にシカの解体で使用する。

後ろ足の膝に切れ目を入れ、ハンガーのようなGambrel(肉吊りかぎ)の出っ張りを刺す。それをHoist(滑車)で巻き上げる。ロープは自動でロックがかかるので楽ちんだ。逆さ吊りにしなくても、首にロープを掛け滑車で引っぱってもOK。でも逆さ吊りの方が解体しやすい。

この辺で買える

電動ウインチセット
崖下の獲物の回収や、落ち込んだ車の引っ張り出し、解体の際の獲物の吊り上げなどに活躍する電動のウインチ。約1トンの巻き上げ能力があり、ワイヤーが15m巻いてある。元はATVなんかに付ける物らしい。リモコンでON/OFF・正逆回転をコントロールできて便利。

12Vバッテリー、アンカーストラップ、滑車、滑車吊り用ワイヤー、コンテナケースでパッケージされたシステムとなっているので、山の中に運んで使うことができる。

バッテリーは軽トラと同じサイズをチョイス。万一軽トラのバッテリー上がった際のバックアップを兼ねる。このバッテリーで、計算上は連続30分の巻き上げが可能。(写真は100kgオーバーのシシを解体のために釣り上げた所。)

解体用包丁
解体の時に使用する骨スキ包丁である。

吊り上げたりしてバラす時は、弾帯に付けているナイフを使い、解体台で骨を抜いたり、ブロックに分けたりするときはこの包丁を使う。プロ用の品であるので使いやすい。握りはゴツゴツしていたので手に合うように丸く削った。

キンキンに研いでいるので、人に貸すと切れすぎて文句を言われることも・・・

長靴・厚いゴム手袋・この包丁は解体三種の神器として荷台に収めてある。

折りたたみシャベル
(エンピ)
米軍使用の折りたたみ式の携帯シャベル。

本来はタコツボ・塹壕掘りや格闘・地雷埋設(トイレ)に使う物だが、車がスタックした際の脱出や、残滓の埋設に使用する。

意外な使い方では、鍬のように首が曲がるので、イノシシの毛毟りに威力を発揮する。

誰か一本は持ってないと困る道具だ。

ラーメンセット

二台のガスストーブ、真冬でも使えるガスカートリッジ、ヤカン、コッヘル、大量のカップ麺と割り箸で構成される。我が軽トラが給食車と呼ばれる由縁。昼飯時に山から下りて集まって食べられる時に活躍する。(山から下りれないときは冷えた弁当や非常食・・・)

寒い真冬は温かい物が食べたい!そこで手軽なカップ麺を供給できるように用意した。ストーブはスノーピーク 地とプリムスのP-112で、カートリッジはイソブタンガスを詰め替えて使っている。ヤカンは家に転がっていたアルミ製1.5Lとトランギアのメスティンを使用。メスティンは米を炊くことも可能な汎用性の高いコッヘルだ。

荷台のコンテナには各種カップ麺が備蓄されており、昼飯時には無線で予約が入るw 予約数を考えてお湯を沸かす。少しでも早く湧かすため、無駄に湧かさないよう注意が必要。何せ真冬なので、荷台の水タンクは凍る寸前まで冷えている。0度から100度まで上げるんだから時間がかかるのだ。

ちなみに一杯100円で販売中。欲しい人は昼時に無線で予約してくださいw

駆除してます看板
有害鳥獣捕獲作業中に掲示するマグネット看板。

この辺りで駆除していることを知らせるほかに、駆除員で怪しい者ではないとアピールする狙いもある。この看板を付ける前は、ジーッと見られたり、明らかに警戒されたりと大変であった。

だが掲示すると、初めて会う人でも呼び止めて情報を提供してくれたり、野菜や果物をくれたりw と反応が激変した。

そりゃ集落に入り込み、見知らぬ車&人間がゴソゴソすると警戒するわねぇ・・・