サボットスラグ射撃
− サボットスラグ弾専用 1/2ライフル銃身 −
フラッと立ち寄った銃砲店で前々から気になっていた銃身の値段を聞いてみた。 すると予想以上に安い!通信販売と変わらぬ値段だ。その場で即オーダーしてしまった(笑) で、注文して3日で到着。換え銃身は購入後、速やかに警察に届けるだけでよいので楽チンである。 銃の丁数を増やさずに用途応じて変化できるんだから変え銃身は素晴らしい! |
26インチ銃身との比較 今まで使っていた銃身は26インチ(約66cm)、新たに買った銃身は20インチ(約50cm)短くなった分 軽くなり山の中での取り回しが楽になった。26インチ銃身は山の中では扱い辛かったのだ。 |
CANTILEVER FULLY RIFLED 12/20は12番の20インチ銃身。WINGMASTERはグレードである。このウィングマスターとはテカテカ光っていて嫌いなのだが、代理店にはコレしか無かったそうなので仕方ない。 CANTILEVER ・FULLY RIFLEDについては下記参照。 |
CANTILEVER カンチレバーとは何か? 銃身に溶接されているスコープを取り付けるマウントベースのことである。M870のような銃は機関部にマウントベースがあると、あまり当たらないと言われる。銃身と機関部にガタがあるためだ。これを解消するために銃身自体にスコープを乗せてしまおうと言うのがこのカンチレバーなのだ!凄い!←ハートマン軍曹っぽく |
FULLY RIFLED 銃刀法でのライフルとは銃身の1/2以上に腔線(いわゆるライフリング)がある銃(厳密に言うとちょっと違うが)のことを指している。所持歴10年未満のハンターはライフルを持つことができないし、この口径はライフルとして許可されない。しかし定義には銃身の1/2以上がライフルとある。では1/2以下ならば・・・OKである。と言うわけで、生産されたときは銃身全部に腔線が掘られていたのをわざわざ除去したのがこの銃身である。実にもったいないが仕方ない。そしてこの銃身にサボットスラグと言われる一発弾を用いると回転が加わり命中精度が高くなる。 写真は薬室側から覗いた物。くっきりとライフリングが見て取れる。 |
銃口側から覗くと・・・ 途中までツルツルである。これを外国人が見たらクレイジーだと言うに違いない! なお、ライフリングが切ってあるので通常の散弾を撃つと、遠心力によってパターンがドーナツ状に大きく広がり使い物にならないと言う話しだ。サボットスラグを撃つためだけの銃身である。 ※実際に水面のカモに向け5号弾を撃ってみた所、平筒よりも3倍位の広範囲に散らばりカモに当たることはなかった。だが、満遍なく散っており中央部に居たカモの直近にも多数着弾していた。この一般的に言われるドーナツ状のパターンというのは疑問である。ただスラグ弾以外は使い物にならない銃身という点では同意である。 |
サボットとは? 簡単に言うと弾頭をプラスチック製のワッズで包んだスラグ弾である。1/2ライフル銃身で撃つことにより、プラスチックワッズがライフリングに食い込み弾頭と共に回転する。銃口を出るとワッズと弾頭は分離し、回転運動をあたえられた弾頭だけがコマの原理で安定して飛行する。これによって命中率の向上を狙った物である。なお、このサボット弾は完成装弾が一発500円以上もする高価な弾である!だが自分で作れば100円以下で製造可能。一日100発以内であれば装弾を製造する事ができる。なお、このサボット弾はライフリングのない銃身で撃つと横転弾となり使えないそうだ。 |
LIGHTFIELD Hybred EXP Sabot Slug 安価で良く当たると好評のライトフィールド。 一発525円で5発入りなので一箱2,625円(メーカーのサイトだと一箱$11.50 ) ←クリックでメーカーサイト |
装弾 弾頭形状はかなり独特で、スカート部が小さい空気銃の鼓弾の様な感じである。 たぶんこの形状が良く当たる秘密なのであろう。ワッズもそれに合わせてピッタリと包み込んでいるようだ。 |
Remington Premier Copper Solid・Sabot Slug メーカー純正のサボットスラグ。商品名にあるように、これは銅弾である。 鉛弾使用禁止の北海道で狩猟する際はこの装弾を使うことになる。 かなり高価で一発630円、箱で3,150円! 実猟でパンパンパンと3連射すれば約2,000円! それで外れた時にはもう目眩がしてくる・・・ ←クリックでメーカーサイト |
装弾 弾頭形状は一般的なホローポイントの拳銃弾を大きくしたような感じである。 ホローポイント部は羽のようなパーツがスクリューのように配置されており 着弾した際に肉を掻き込んで激しくエクスパンションする感じである。一言で言えば凶悪! 弾頭部アップ |
サボットスラグを自作 薬莢はウィンチェスター、無煙火薬(IMR SR-4756)、雷管(FEDERAL 209A)、ワッズ(win WAA12R)、下の巨大な空気銃のペレットの様な物は鉛を溶かして鋳造した弾頭(Lyman525gr)である。必要な機材は火薬を計る天秤やリローダー、ロールクリンパ、弾頭を鋳造するモールドやディッパーなど、これを書き出すと長くなるのでそのうち専用ページを公開する予定。 |
福岡県立総合射撃場 大口径射面 この射撃場はクレー(トラップ・スキート)エアー、大口径と色々撃てる複合射撃場である。スラグ弾を撃つのはライフルと同じ半地下壕の大口径射面だ。100mまでの固定標的を撃つことが出きる。5射座あり、少々解像度が悪いスポッティングスコープが備えられている。一応防音材が貼られているが、コンクリで覆われた室内であるので轟音が響きプロテクター無しではとても居ることができない。 |
50m先の標的 肉眼ではもう少し小さく見える。12番の弾痕はデカイので目を凝らせば着弾点が見える(笑) 左側の5番射台は100mでボルト&自動のライフルを撃たれてる地元のシューターであった。標的回収の時に見せてもらったら、全てピンポン玉サイズに纏まっていた(驚) 私の方はと言うと・・・ |
自作サボット 50m 委託 使用弾頭はLyman525gr、薬量は左が33grで右が35grである。(中心より下に着弾しているがスコープを合わせていないためで、集弾のみ見ていただきたい)他にも30、31grを試したが、これよりもばらけた。射手の技能向上とリローディングを工夫すればまだ纏まってくれるはずである。メーカー製装弾はズバズバと纏まるので50mで撃っても当たるのが当たり前で面白くなかった。射撃に使うには100m専用である。 ←ライトフィールドを5発撃った標的紙 |
自作サボット 50m 立射 実猟を想定し立射、委託無しで挙銃後2秒以内に撃った。一応バイタルエリアには纏まって当たっているが、問題なのは足の付け根付近に5発ほど着弾している点である。これはフリンチングが起きていることを示している。強烈な反動に備えるため、無意識のうちに激発の瞬間に力を込めてしまい、銃口が下を向く事である。肩の力を抜いて自然に撃つと狙ったところに当たるので、フリンチングの解消が最大の課題である。克服するにはとにかく数を撃つしなないらしい。 |
メーカー装弾 100m 依託射撃 自作サボット弾は弾痕不明orとんでもないところに着弾するので100mでは使い物にならない。メーカー製装弾はちゃんと当たるが、より良く当たったのは意外なことにライトフィールドではなくレミントン製の銅弾であった(2発しか撃っていないが・・・)レミントンはあまり当たらないと聞いていたのだがそうでもないようだ。これなら100m以内なら安心して撃つことができる。心臓の下と鼻横に着弾しているのは、最初50mで合わせたスコープを補正無しで撃ったため、15cmほどドロップしている。胴体の真ん中を狙えばとりあえずは鹿を倒すことはできそうだ。(前足の2発は単なるスカ!) ・赤 ライトフィールド ・青 レミントン ・緑 30口径ライフル (ライフルの弾痕があるのは隣のシューターがサイト合わせをしており、弾痕不明なのでデカイ標的を撃たせて欲しいと申し出があった為。補正3発目で心臓にHITしている。当然この後は自分の標的でコイン大に集弾させていた・・・ ライフルスゲー) |