黒岳(高塚山・前岳)
− 台風直後の原生林 −
くじゅう連山で他とはちょっと違う山が黒岳である。ほとんどが草原などの視界が開けているゆっくりとした 登りであるが、この黒岳は鬱蒼とした原生林に包まれた歯ごたえのあるコースらしい。 数日前に台風が来たばかりであるが、ちょっと行ってみた。 |
閉鎖された料金所 白水鉱泉に車をデポし男池まで歩いてきた。通常であればここで清掃協力金として100円徴収されるが今日は無人。なにやら張り紙は貼ってあり「台風による被害のため男池には当分の間、入園できません」とある。まぁ、行けるところまで行ってみようと言うことで出発! |
再び流された橋 倒木を乗り越えやってくると橋がない。前回台風が来たときに橋が流され仮設の橋ができたはずであるが・・・ どうやらまた流されたようである(笑) 50mほど下流には無惨なスクラップ状態になったパイプ橋があった。上流側がチャラ瀬になっているのでそこを渡る。 |
壊滅した男池 壊れた木道を避けて湧水地点まで来ると、足場がボコボコになっている。倒木もありなかなかキビシイ状態だ。水は汲めるので腰の水筒とキャメルバックに水を満たす。水は相変わらず渋い感じがする。この付近からも登山道に行けるらしいが道が分からないので引き返す。 |
登山道入口 料金所から橋を渡った正面が登山口になる。立派な看板があるので一目瞭然だ。 |
緑の絨毯 千切れた枝や葉っぱが地面を覆っている。ちょっと踏み後が分かりづらいがそれらしい所を進む。リボンなどは殆ど無く、湧水地点との別れに看板があるくらいだ。 |
沢沿いに上がる いつしか水音が聞こえ沢沿いに進むことになる。ポツポツリボンがあるので安心だ。 |
有刺鉄線 いきなり予想もしていなかった物が現れた。「これより先は牛の放牧中」とある?ホントかよっ!と激しく突っ込みを入れたくなる(笑) 扉は無くジグザグに進み通り抜ける。狭いので子牛でも通れないだろう。本当にこんな所で放牧しているのだろうか?謎である。 |
かくし水到着 有刺鉄線を抜けると目の前に現れるのが「かくし水」である。雨が降った為であろうか、結構盛大に流れている。沢の源流はここである。一口飲むとまろやかな感じで男池よりもこっちの方がいい(雨水のせいかも・・・) 軽く小休止を挟んで出発。 |
少しずつ高度を上げる 今まではほとんど平坦な道であったが、ここから少しずつ上がっていく。途中にヤマボウシが落ちている。 |
泥沼と化したソババッケ ポテポテ歩いてくると休憩ポイントであるソババッケに到着。だが素晴らしい泥沼・・・ 付近から一段低いすり鉢状であるので泥水が溜まったのであろう。愛用のバンブースティック(ただの竹の棒)で地面を突っつきながら進む。幸いにもズブズブと沈み込むこともなく無事通過。靴は泥が引っ付きとても重くなった。 |
ソババッケ別れ ここから西に進むと大戸越へ行くことができる。黒岳方面は案内板に従い南へ進む。 |
掘れた道 ソババッケからすぐに荒れた道となる。台風や集中豪雨で掘れたのだろう。崩れやすいので注意しながら進む。 |
奥ゼリ分かれ 掘れた道からしばらく進むと奥ゼリ分かれに到着。ここからも大戸越に行ける。手頃な岩に腰掛けて小休止。 |
苔むした石 岩がゴロゴロした道になった。しかも苔むして滑りやすい。結構長い間こんな所なのでウンザリするが慎重に進む。 |
風穴分かれ 巨大な岩が目立ち始めると風穴分かれだ。東に進めば黒岳方面であるがちょっと寄り道。 |
風穴 案内板が無くちょっと探したが、広場の北の隅に発見。夏でもツララがあるとか言われているが正にそうであろう、ヒンヤリとした風が穴から吹き出す。付近が湿度が高いためか、穴から時折真っ白な霧?が立ち上る。なかなか面白い。下に降りることも可能である。しばらく休憩して出発。 |
一気に上がる 風穴から一気に登りに入る。足元が崩れやすいので注意が必要。やっと登っているって実感があり楽しい。 |
天狗別れへ 登りきると天狗別れへの案内板がある。これを無視して進むと高塚山への短縮コースとなるようだ。案内板に従い天狗分かれ方面に進む。 |
天狗岩 天狗別れから天狗岩方面に少し進むと凄いのが見えてきた。ガスっているが岩ゴロゴロで登れるのか?という疑問がわいてくる。 |
天狗着 (1556) 黄色いペイントに従って進めば難なく頂上着。ただ途中でザックはデポした。ガスがバンバン流れてきて 展望はほとんどきかない。切れ間から少しだけ阿蘇方面が見えることがあるが、すぐに隠れてしまう。 |
あっちの方が高いかも・・・ 南側の岩が一番高いようだ。移動が面倒なので行かないが・・・ |
天狗岩からの眺め 何とか粘ってガスが切れた瞬間に撮影。手前のピークが高塚山。右側が前岳方面。左側に見えている山は平治岳である。 岩の上に座ってマッタリと景色を楽しむ。気が付くと1時間近く経ってしまった。時計を見たときはビックリした(笑) 急いで引き返す。 |
天狗分かれ 天狗別れ帰着。ここから高塚方面に進む。 |
高塚山着 (1587) 天狗別れからすぐに山頂着。相変わらずガスが凄くて視界ゼロ。おまけに薄暗くなってきた・・・ |
お昼ご飯 いつもは戦闘糧食や救難食料を齧って終わらせるのだが、今日はちょっと凝ってみた。熱源はエスビットとトライオキサンを使い、メスティンで90秒で湯で上がるマカロニとコンビーフを合わせてスープにする。醤油をチョット垂らし塩分補給も完璧だ。肌寒いので暖かい食べ物は実にありがたい。 |
食後にはコーヒー 贅沢にコーヒー付きである!山で飲むコーヒーは美味い! |
穴がある石の道 高塚山からの道は岩がゴロゴロ。しかも所々隙間があり、ウッカリ足を入れてしまったら大変なことになるだろう。注意して進む。 |
垂直落下 本日最大の難所に到着。垂直に降りるような感じでなかなか骨が折れる。写真が上手く撮れなくて残念だが、崖のような感じである。鎖場も一カ所あり結構シンドイ・・・ 自分でも意味不明な巫女みこナース垂直降下ver(リンク先音量注意)を歌いながら降りる。精神崩壊でも始まったのだろうか? |
たぶん 1357m地点と思われる。右膝に鈍痛がありスピードが落ちてきた&日没が近いので余裕無し!写真を撮ってチョコを齧って出発! |
前岳着 (1334) GPSは日没まで1時間と言っている・・・ 前岳に到着するもガスっていて何も見えないので標識を撮影して休憩。明るい内の下山は無理だ〜(笑) まぁ、数日間ビバークできるだけの装備はあるから問題ない。やばくなったらツェルト張ってのんびりしよう。焦っても仕方ない! |
白水鉱泉 極端に目印が無くなりかなり苦労しながら進む。薄暗いので見えないのもあると思うが幾筋も道があるのに分岐点にリボンがない!苦労しながら白水鉱泉が見える地点までやって来た。もう少しだ! |
白水分かれ 案の定日没を越えて真っ暗に・・・ ヘッドライトをつけてポテポテ歩く。途中でサルナシ?みたいな実がたくさん落ちていた。この分岐から駐車場へは北に進む。 |
・・・帰着 着いたー! 日没までに帰られなかった原因は時間の配分ミスと膝痛である。前半の各所での休憩を余りにも多く取ったためである。それに膝痛が重なり、さらに時間をロスしたのが問題だ。岩が多いコースであったので負担がかかったのであろう。また、後半では目印か見当たらずウロウロしたのも原因だ。今度登るとしたらテープを持っていこう。それにしても白水鉱泉に車を止めて正解であった。もし男池に止めていたら50分近く歩かなければならなかった・・・ 積算距離:約12km 積算時間:12時間10分(休憩含む) 標高差:約864m |